LED ZEPPELIN / ABSENCE (3CD)

型番 WECD-341/342/343
販売価格 6,000円(税込)
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デビュー以来、毎年ツアーを重ねてきたツェッペリンであったが、1974年にプラントの喉の手術のため休養したのに続き、1976年はプラントの自動車事故による骨折で、やはりツアーは行なわれなかった。 よって二年ぶりとなる1977年のツアーというのは、まさにツェッペリン復活をかけた一大イベントであり、結果的にこれがアメリカにおけるツェッペリンの最後のツアーとなった。本国英国よりも先にツェッペリンを高く評価したアメリカのファンは、このツアーが最後の見納めだったのである。

1977年北米ツアーは4月、5月と6月、そして7月と、間に2度の休養期間を挟み、三つのパートにわけて行なわれた長大なものであった。しかしサード・レグである7月のツアー中にプラントの息子が病で死去し、わずか4公演で中断、バンドは無期休養期間に入る。よって当初の予定より日程は削減され、全51公演が予定されていた内の44公演を消化した時点で全日程を終えることになる。しかしそのようなトラブルを他所に、久しぶりの全米ツアー、しかもツェッペリンにとってかつてない最大規模のツアーとあって、ファンには熱狂的に受け入れられた模様である。このツアーは硬質でハードなアルバム『プレゼンス』に伴うツアーであり、同アルバムの曲を初披露することもあって、ツアーに向けてのリハーサルは年初から2か月に渡って念入りに行なわれた。そして1977年4月1日ダラスから、いよいよツアーが開幕したのである。

【マジソン・スクエア・ガーデン6連続公演】
1977年USツアーといえばロサンゼルスにおける連続公演があまりに有名であるが、マジソン・スクエア・ガーデンにおいても6連続公演が行なわれている。世界最大の都市ニューヨーク、かつて永遠の詩が撮影収録されたMSGにて、ツェッペリンはここでも大規模な連続公演を行なっているのである。日程は以下の通り過密なものであった。

【MADISON SQUARE GARDEN 1977】
1977年6月07日
1977年6月08日
1977年6月10日 『RELIC FROM A DIFFERENT AGE』 wendy
1977年6月11日 『ABSENCE』 wendy(本作)
1977年6月13日 『GLINPSE AN AXE』wendy
1977年6月14日

この年の一連のMSG公演から、Wendyレーベルでは既に2日間がリリースされている。いずれもその日のコンサートを代表するベスト盤として評価されているもので、特に13日は従来音の悪いものしか流通していなかった中で、抜群の鮮度を誇るロウジェネ・ソースで収録したものであった。そして本作11日は、数少ないMSGの既発盤の中では比較的タイトルに恵まれている方であろうが、それでも尚、決定盤というべきタイトルがない状況であった。その理由は後述するが、ピッチやカット部分、そして複数のソースなど解決すべき瑕疵が数多くあり、かなり手を入れないと通して聴くことが困難な音源であるのがタイトル数が少ない一因である。本作は、それら全てをクリアにして提示する決定盤であると自負している。

【音質とソース、内容について】
さすがニューヨークという大都市の大会場というだけあり、同一公演で複数ソースが存在する。メインとなるのはオープニングから「Kashmir」の途中までのソース1である。本作はこのソース1のファースト・ジェネレーションとして伝えられる音源を使っている。音質はすこぶる良く、行儀のよろしくない聴衆の中にいて音も近く、非常にきれいに録音されているのがわかる。元々が幾分荒い音像であったので、中音域を若干調整して落ち着いた音に仕上げてある。残念ながらこの音の良いソース1は「Kashmir」の途中までしか収録されておらず、同曲の途中からソース2、そしてソース3と、1曲の中で複数のソースを跨ぐことになる。音質が異なるので切替のタイミングはジャストでありながらポイント点は明白なのだが、聴いて頂ければわかる通り、かなり複雑な編集を要するものであり、そのため既発盤では全ておざなりになっていた鬼門である。おそらく、複数ソースを細かく編集してここまで完璧に1曲を完全収録したタイトルはなかったであろう。そういった意味では「Kashmir」は本作と既発盤を差異化する象徴的な曲であるといえる。また「No Quarter」においては、途中26秒ほどのカットがあり、これは他のオーディエンス・ソースにおいても欠落しているため、サウンドボード音源で補完してある。

ディスク3の後半に収録されているのはサウンドボード音源である。いかなる理由でこのような音源が残されているのか不明だが、わずか3曲のみとはいえ、まさにこの日のサウンドボード音源である。現在のところ確認できるこの3曲が全てのようだ。音質的にはやはりサウンドボードならではの鮮明さは特筆すべきものである。

【完璧なピッチ調整】
1977年は当然カセットテープでの録音である。現代のようにデジタル機材ではないので、経年による物理的な変化が不可避なテープ媒体において、ピッチ調整は非常に重要なポイントとなっている。本作の元テープも例外ではなく、40年以上の経年の結果普通に再生した状態でピッチはガタガタの状態であった。全体で何%といった問題ではなく、テープの場所によってピッチが異なるものであり、これは古いテープにおける宿命である。本作はそれを丁寧に補正して、数多くある既発盤ではなしえなかった完璧なピッチ調整を時間をかけて施してある。

ピッチが不一致は、同じ日の同じ演奏であれ、繋ぎ目に不自然さが最も顕著に出る要因となっている。特に本作のように曲中において編集が必要なものは特に神経を使わねばならない。実際に前述の「Kashimir」を聴いていただければわかるように、編集個所前後でピッチが合致しており、テンポの流れで聴いて音質差以外の違和は全くない。これもまた完璧なピッチ調整の賜物である。

【ABSENCE】
本作のタイトルは「PRESENCE」(存在、あること)の対義語としての「ABSENCE」(不在)である。そしてアートワークは「PRESENCE」を踏襲したものとなっている。1977年は日によって出来不出来の波が激しい。特に6月19日サンディエゴと翌6月21日ロサンゼルスのコンサートは極端に明暗が鮮明な例として挙げられる。鬼気迫るような演奏の日もあれば、貫禄を見せる余裕のある演奏の日もあれば、体調不良なのか精彩を欠いた演奏の日もある。本作に収録された1977年6月11日はマジソン・スクエア・ガーデン6連続公演の折り返しに当たり、どちらかといえば余裕のある「大きな演奏」となっている。これは「大きな演奏」としか表現しづらいが、本作を聴いて頂ければその意図せんと欲する意味をご理解いただけるのではないだろうか。

マジソン・スクエア・ガーデン6連続公演の4日目1977年6月11日のコンサートを、4種のソースを駆使して収録。特に4種目のソースはサウンドボード音源であるため、編集でオーディエンス音源に挿入することなく、本編とは別にそれだけで収録されている。ピッチ調整は完璧。聴く者を40年前のニューヨークMSGに引き戻してくれる臨場感あふるる内容的にも音質的にもベスト・タイトルとなるであろう。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。日本語帯付。

MADISON SQUARE GARDEN NEW YORK CITY, NY U.S.A. June 11, 1977
DISC ONE
01. Introduction
02. The Song Remains The Same
03. Sick Again
04. Nobody's Fault But Mine
05. In My Time Of Dying
06. Since I've Been Loving You
07. No Quarter

DISC TWO
01. Ten Years Gone
02. Battle Of Evermore
03. Going To California
04. Black Country Woman
05. Bron-Y-Aur Stomp
06. White Summer - Black Mountain Side
07. Kashmir
08. Moby Dick
09. Guitar Solo

DISC THREE
01. Achilles Last Stand
02. Stairway To Heaven
03. Heartbreaker

SOUNDBOARD RECORDING
04. No Quarter
05. Ten Years Gone
06. Battle Of Evermore

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