■1976年全米ツアーの最終公演地ロサンゼルス3連続公演。
■初登場初日6月21日公演を含む三日間完全収録。
■最終日6月23日はテープ・ソースより収録。
ウイングス初のワールドツアーは1975年に始まった。 英国、豪州、欧州、日本(中止)、北米、欧州、そして英国と、足掛け2年に渡る大規模なものであり、 特に米国でのポールのコンサートはビートルズ時代以来10年ぶりというものであった。 音楽的には素人のリンダを加え、幾度のメンバー交代を経て、バンドをゼロから作り上げた到達点が1975年から始まるワールド・ツアーであったといえる。 そしてその集大成が1976年の全米ツアーであった。本作は、その全米ツアーの最終公演地、ロサンゼルスにおける3連続公演を完全収録している。
初日6月21日は今回初登場となる音源である。 残念ながら音質には恵まれておらず、こもった音質ではある。音質評価で言えば「梅」であろう。 しかし、けしてステージから距離がある感じではないし、演奏自体はしっかり捉えられている。 あえて言うなら、ステージ近くの席でバッグの中にレコーダーを入れて録音したかのような印象を受ける。 いずれにせよ貴重な初登場音源、そして完全収録、それもロサンゼルス連続公演の初日ということで、記録としても重要なコンサートである。
二日目6月22日は、以前『WINGS FOR THE WINGS』というタイトルでリリースされていたものの、 いくぶん早かったピッチをプラマイゼロに調整したリマスター収録である。 また「幸せのアンサー」で音量レベルが上下する箇所も補正されている。最終日があまりに有名なだけに、この日は軽視されがちであるが、音質はすこぶる良く、 1976年ツアー音源の中でもかなり上位に入るものである。音質評価で言えば「竹」であろう。 「夢の人」と「愛の証」のイントロが欠落しており、それは同日の別ソースで補完することにより完全収録となっている。
最終日6月23日は、このロサンゼルス連続公演の中でも最終日6月23日は、 古くアナログ時代から『WINGS FROM THE WINGS』というタイトルで知られてきた。 高音質にて完全収録、豪華なボックスに収納された3枚組で、そのクオリティの高さは、ポール側に『WINGS OVER AMERICA』をリリースさせる動機となったとも伝えられている。 本作はもちろんアナログ起こしではなく、テープ・ソースからの収録で、音質評価で言えば「松」であろう。 以前にもMクローデル・レーベルからリリースされていたが、本作はそのリマスター収録である。 既発盤にあった欠点を最新の技術で補正し、まさに名音源にして決定盤となっている。 機材の性能の問題か、音量があがる部分でリミッターがかかったような音量の上下する部分は全て違和感なきよう補正してある。 一例を挙げると、既発盤ではメドレーで「ROCK SHOW」に移行する部分では、ドラムの登場と共に音質がぐっと下がってしまっていたが、本作ではその部分のアタック感を損なわぬようになっている。
内容とは関係ないが、フロントのジャケットにも注目して欲しい。 『WINGS FROM THE WINGS』と銘打たれたタイトルはCD時代になっても数多くリリースされてきたが、いずれもジャケットは、LPボックスがあまりに有名なため、同じデザインを流用していた。 しかし、ポールの写真が1972年のものであることや、曲目表示がLPのものとなっているなど、不自然な点は多々あり、それでもオリジナルに敬意を表し踏襲されていた。 それは本作も同じである。しかしLPボックスのジャケットをスキャンしたのではなく、同じ写真を元に新たに作られたデザインなのである。 その違いは本作スリップ・ケースの写真と、中のプラケースに使用されているLPボックス流用の写真とを見比べてみて欲しい。
まずLPボックスの写真は当時のゼロックス・コピーのような白黒の潰れた写真であるのに対し、本作はきちんと写真から作られているので、 同じ写真でも鮮明なものである点に注目である。LPボックスの写真が顔から首筋を通って胸元まで真っ白なのに対し、本作の写真は同じ白黒写真でありながら濃淡が残っており、 より質感が浮かぶ鮮明さである。 またトリミングに関しても、LPボックスでは切れていた部分が広く残っている。わかりやすい部分で言えば、ポールの頭頂部、そしてマイクスタンド、左端などである。下部も切れずに残っている。
ウイングス最初で最後のワールド・ツアー、そして10年ぶりの全米ツアー、その集大成、象徴とも言うべき最終公演地ロサンゼルスにおける3連続公演を、3公演完全収録。 ツアーの成功を確信したポールが、余裕をもって臨んだロスにおける連続公演は、3公演通して聴いてこそ意味があるというもの。 既に40年以上経過した今も、この時のウイングスのパフォーマンスは現代の耳で聴いても凄まじく素晴らしい。まさにビートルズ解散後のポールの最初の到達点であった。 美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。スリップケース付。
THE FORUM INGLWEOOD LOS ANGELES CA U.S.A. June 21, 1976
DISC ONE
01. Venus And Mars - Rock Show - Jet
02. Let Me Roll it
03. Spirits Of Ancient Egypt
04. Medicine Jar
05. Maybe I'm Amazed
06. Call Me Back Again
07. Lady Madonna
08. The Long And Winding Road
09. Live And Let Die
10. Picasso's Last Words
11. Richard Cory
12. Bluebird
13. I've Just Seen A Face
14. Blackbird
15. Yesterday
DISC TWO
01. You Gave Me The Answer
02. Magneto And Titanium Man
03. Go Now
04. My Love
05. Listen To What The Man Said
06. Let'em In
07. Time To Hide
08. Silly Love Songs
09. Beware My Love
10. Letting Go
11. Band On The Run
12. Hi Hi Hi
13. Soily
THE FORUM INGLWEOOD LOS ANGELES CA U.S.A. June 22, 1976
DISC THREE
01. Venus And Mars - Rock Show - Jet
02. Let Me Roll it
03. Spirits Of Ancient Egypt
04. Medicine Jar
05. Maybe I'm Amazed
06. Call Me Back Again
07. Lady Madonna
08. The Long And Winding Road
09. Live And Let Die
10. Picasso's Last Words
11. Richard Cory
12. Bluebird
13. I've Just Seen A Face
14. Blackbird
15. Yesterday
DISC FOUR
01. You Gave Me The Answer
02. Magneto And Titanium Man
03. Go Now
04. My Love
05. Listen To What The Man Said
06. Let'em In
07. Time To Hide
08. Silly Love Songs
09. Beware My Love
10. Letting Go
11. Band On The Run
12. Hi Hi Hi
13. Soily
THE FORUM INGLWEOOD LOS ANGELES CA U.S.A. June 23, 1976
DISC FIVE
01. Venus And Mars - Rock Show - Jet
02. Let Me Roll it
03. Spirits Of Ancient Egypt
04. Medicine Jar
05. Maybe I'm Amazed
06. Call Me Back Again
07. Lady Madonna
08. The Long And Winding Road
09. Live And Let Die
10. Picasso's Last Words
11. Richard Cory
12. Bluebird
13. I've Just Seen A Face
14. Blackbird
15. Yesterday
DISC SIX
01. You Gave Me The Answer
02. Magneto And Titanium Man
03. Go Now
04. My Love
05. Listen To What The Man Said
06. Let'em In
07. Time To Hide
08. Silly Love Songs
09. Beware My Love
10. Letting Go
11. Band On The Run
12. Hi Hi Hi
13. Soily