■ジョージのプロモクリップ完全収録。
■別バージョン、別テイク、メイキングなどを網羅
■アルバム・プロモーション・スポットなど関連映像も収録。
■他アーティストの参加曲のプロモも収録。
数は少ないながらも凝った作りで手の込んだものが多いジョージのプロモ集を、この1タイトルで網羅。中には時代を感じるものもありますが、ジョージのユーモアと趣味趣向が大いに反映されたものばかり。画質も現在考えうる最高の素材を使って、今まで中途半端な画質の中途半端な内容のものしかなかったジョージのプロモ・クリップを体系的に収録した決定盤である。しかもジョージが生前に制作したプロモのみならず、死後に制作されたもの、別バージョン、別テイク、メイキング、そしてアルバムのCMスポットなど、およそプロモーションに関連する映像を集約したタイトルが本作である。
【ディスク1】
まず最初は70年代の開幕を飾るバングラデシュ・コンサートのライヴ映像から制作された「My Sweet Lord」のプロモである。白い上下のスーツにアコギを手に歌う髭面のジョージは、まだこの時点で20代後半である。「Dark Horse」はスタジオで歌う様子を捉えた映像である。ジョージにしてはシンプルで純粋に演奏シーンを使ったプロモである。「Ding Dong Ding Dong」はいきなり足を引っかけてコケそうになるジョージに笑えるもの。ジョージが色々な衣装を着て演奏するという趣向のプロモである。ビートルズ時代のマッシュルームカットに襟なしスーツを着用して歌うシーンがあると思えば、サージェントの衣装を着用したり、はたまた半裸で演奏する映像なども使われており、バックにはALL THINGS MUST PASSのジャケットにも出てきた可愛い人形たちも登場する賑やかなもの。この時点で既にビートルズ時代をパロディにできるジョージの自信の程が伺える。
「Crackerbox Palace」は『LIVING IN THE MATRIAL WORLD』のジャケットが動くという感じで、ジョージ自宅の広大な庭園が美しく、実に絵画的な映像がふんだんに使われている。後半はジョージの自宅内も撮影に使われており、不可思議な登場人物が次々に表れて、あたかも英国の童話世界を再現したつくりとなっている。「True Love」も基本的には自宅の庭園を舞台として様々な登場人物が現れるという趣向を踏襲したものである。小舟から落ちないよう注意しているのだろうが、ジョージのぎこちない動きが微笑ましい。「This Song」は「My Sweet Lord」の盗作騒動を揶揄して、いきなり手錠をはめられたジョージが法廷に連行されるシーンから始まる。法廷シーンに加え楽譜をバックに歌うシーンなど、ジョージが釈明をしているかのような作りとなっている。多少言い訳がましい気がするが、きっとこのように言い訳をせずにいられなかったのだろう。そしてジョージのプロモの中でも異彩を放っているのは「Blow Away」であろう。雲流るる青空にジョージの横顔と、非常にカッコイイ映像で始まるのだが、曲が始まると非常にカッコ悪い(笑)ジョージのステップに加え、挙句の果てにはオマルの中で歌っていたりと、ジョージらしからぬ三枚目キャラとなっている。「Faster」は、これもまたジョージの趣味が前面に出たものである。この頃ジョージが凝っていたのはカーレースで、当時様々な会場で観戦するジョージの姿が目撃されている。映像のメインとなるのはジョージよりもレース・カーであり、レースの様子というジョージ・ファンとしては今一つ消化不良な感は否めない。
「All Those Years Ago」は当初アルバムの中の一曲として作られたものだが、ジョンの死のニュースを受けて急遽追悼曲として作り直されたものである。コーラスにリンゴとポールが参加していることが当時話題となった。そのプロモということで、ビートルズ時代のジョージとジョンの映像がコラージュされたものとなっている。中には1966年日本公演の映像なども使われている。「Save The World」は曲名通り環境を守ろうというメッセージが込められたプロモで、捕鯨をする日本漁船を批判的に映すなど、日本人には非常に不愉快なものである。「Shanghai Surprise」は映画のシーンに交じりレコーディング風景が挿入される構成となっている。この映画にはマドンナが出演しているということでも当時話題になったものである。「Here Comes The Sun」は1987年のプリンス・トラストのライヴがそのまま使われている。ライヴ活動を一切していなかった時期の貴重なステージ映像で、いくぶん緊張気味ながら堂々と歌っている様子が伺える。今となっては若いリンゴがドラムを叩き、レイ・クーパーがパーカッション、ジェフリンがギターを担当しているなど、この後のジョージの日本公演、さらにアンソロジー・プロジェクトの布石となっているメンバーである。
ディスク1の最後は「Set On You」がトータルで10バージョンも収録されている。当時大ヒットした曲だけあって、大まかにゲームセンター・バージョンと室内バージョンがあることは知られているが、それぞれにも様々なバージョン違いが存在している。まずゲーム・センター・バージョンである。いかにも80年代の化粧とファッションの男女がゲーセンでクレーン・ゲームに興じる様子とジョージの演奏シーンが平行して進行し、その双方の世界が途中で繋がるという趣向となっている。特にRaw edit Bはゲーセンのシーンがなく純粋にジョージの演奏シーンのみでフルに見ることができる編集前の映像である。そしてもうひとつ、こちらは部屋の中でソファーに座り演奏する演出の同曲のプロモである。室内の柱時計や書棚、そして壁から突き出た動物の飾りなどが曲に合わせて動くという、70年代から趣味趣向は変わっていないのだなと思わせる、いかにもジョージらしいプロモであろう。途中ソファから立ち上がりバク転をするシーンがあるが、カメラを一旦止めて、まったくの別人が入れ替わっているのが確認できる。それぞれマルチ・ビューで見比べられるようになっているので、細かい編集の違いを確認してみて欲しい。
【ディスク2】
1987年に発表された『Cloud 9』はシングル・ヒットした「Set On You」のみならず名曲が揃っている名盤である。アルバム最後を飾る「Set On You」はカバー曲であるが、ジョージのペンによる名曲といえば「When We Was Fab」であろう。タイトルだけでなく明らかにビートルズを意識した曲調であり、まるでジョンとジョージの共作のような雰囲気の曲である。全体を覆うのは「I Am The Warlus」ふうの雰囲気で、そこにインド風というべきか焼香の臭いをまぶして作られた曲である。そしてこのプロモ映像が非常に凝ったものでファンの間でも人気が高い。ヒッチコックの映画「ロープ」のように1カメラで街角の塀の前で歌うジョージの前を様々な人が通り過ぎていく構成となっている。リンゴやジェフリンの姿も見える。そして左利きのベーシストまで登場するという凝りよう。最後にジョージの身体からジョージが次々と生えていくのはインド哲学の影響であろう。本作にはこの「When We Was Fab」のプロモが4種収録されている。「This Is Love」は曲調通り流れるような爽やかな映像美を堪能することが出来る。南国の海辺で軽やかに歌うジョージはとても健康的な感じだ。
ここからジョージのソロではなく、トラベリング・ウィルベリーズのプロモになる。レコード会社を横断して結成されたバンドということもあり、メンバー全員が偽名を名乗っているものの、偽名がバレないわけがない(笑)。ジョージの他はディランにトムペティ、ジェフリンにロイ・オービソンの5人である。全員が持ち回りでヴォーカルを採る「Handle With Care」が第一弾シングルとしてリリース、本作はそのプロモを4バージョンに加え、マルチ・ビューで見比べることが出来る仕様になっている。またアウトテイク映像では撮影の合間の和やかな雰囲気が伝わってくる。「End Of The Line」は古いロックンロールで、やはりメンバー持ち回りでヴォーカルを採る曲である。こちらも複数テイクに加え、マルチビュー、さらにアウトテイク映像も収録している。「Nobody’s Child」はアルバム未収録の企画オムニバス収録曲で、アニメとドキュメンタリー映像で構成されている。
トラベリング・ウィルベリーズはアルバム2枚を残してロイ・オービソンの死と共に自然消滅したが、2枚目のアルバムのタイトルが『Volume 3』であることから、様々な憶測を呼ぶことになる。その『Volume 3』からの最初のシングルが「She’s My Baby」である。ハードなギターはレコーディングではゲイリームーアが担当している。「Handle With Care」がジョージを中心にヴォーカルを採っていたのに対し、この曲ではトム・ペティとディランがメインとなっている。これだけの面子が揃った以上、これ以外は難しいのだろうが、やはり「Handle With Care」と同じように倉庫のような場所でメンバーが歌うという「絵的」には同じような作りとなっている。「Inside Out」は一転、森林の書き割りが設置された学芸会のステージのような場所で演奏する映像で構成されている。こちらもマルチビューとアウトテイク映像が収録されている。「Wilbury Twist」はオールディーズふうのダンスホールで踊るのが似合いそうな軽快な曲である。演劇的なオープニングからメンバーによる演奏シーンに加え、様々な人が踊るという構成となっている。
【ディスク3】
「Any Road」は若きリバプール時代からビートルズ時代を経て、最近の映像までをコラージュして構成されている。中には未公開の1974年ツアーの映像から、プライベート映像なども含まれており、マニアにはたまらないものとなっている。様々なコラージュ映像だけに合うはずのない口の動きが、なんとちゃんと歌詞に合うように作られていることに驚かされる。「Taxman」は『Dark Horse Years』に合わせて作られたもので、1991年の日本公演の映像が使用されている。日本公演の映像でありながら客席が一切映らないことから、これは当日スクリーンに映されていた映像であると思われる。「Living In The Material World」「Sue Me Sue You Blues」「Miss O’dell」の3曲は2006年に制作されたプロモである。「Living In The Material World」のプロモは当時のレコード製造工場の風景で、同アルバムを文字通り組み立てていく流れが映像として見ることができる。ジョージの曲とは別に、これは非常に貴重な映像ではないだろうか。続く「What Is Life」は2014年に制作されたプロモである。ジョージは一切登場せず、曲に合わせて美少女が躍るという不思議な映像である。しかし女の子の純粋な可愛さと全体を覆う童話的な世界に思わず引き込まれてしまう魅力的なプロモである。
【ORIGINAL TV SPOT】
ここからはプロモーション映像とはいえ、それぞれのアルバムがリリースされた当時のTVコマーシャルが収録されている。このような映像を当時録画していた人がいたとは驚きである。通常は当時流されるだけで消えていく運命にあるTVコマーシャルがこのように残されているとは。
【TV SHOWS】
ここからはテレビショウで放送された映像である。「My Sweet Lord」は2種収録されているが、最初のものは1970年オランダのTOP POPという番組で放映されたもの。ジョージの演奏する映像はなく様々な写真や映像のコラージュとなっている。放送されたのが1970年とあって全てビートルズ時代の映像と写真で構成されている。次の「My Sweet Lord」は1971年に放送されたもの。こちらもジョージの演奏シーンはなく、女性ダンサーたちが曲に合わせて踊るというものである。「DING DONG DING DONG」は1974年に放送されたもので、こちらも女性ダンサーが曲に合わせて踊るというもの。クロマキー処理を駆使して凝った作りになっている上に鮮やかなカラー映像なので、ジョージが出演していないのが残念なくらいである。「The Pirate Song」は今となっては有名なパフォーマンスである。「My Sweet Lord」の盗作騒動に対する回答として同曲のイントロで「Pirate(盗んだ)」曲という歌を歌い出すのである。ジョージのしてやったりといった楽しそうに歌う姿が微笑ましいライヴ映像である。「This Song」は1977年ドイツの番組に出演した際のマイミング演奏である。白いスーツに赤いシャツという派手ないでたちでギターを手に、カーリーヘアのジョージが歌う映像である。この時代のジョージの演奏する動く映像ということで、非常にレアなものである。「Hottest Going In Town」と「Someplace Else」の2曲はレコーディング風景の映像である。
【RELATED VIDEOS】
ここからは、ジョージ本人のプロモではないものの、他のアーティストにレコーディングなりプロモなりにジョージが参加した関連映像を収録している。ジョージはあまり他アーティストと交流がないように見えて、それでもここに収録されているように、ポールほどではないにせよ、数多く参加していることが伺える。
【COMPLETE PROMO CLIP COLLECTION】
ジョージのプロモ映像を完全網羅。バージョン違いやアウトテイクも含め、本作の収録が、ビートルズ解散後から死後の現在に至るまでに制作された全てのプロモ映像である。単にジョージのソロのプロモ映像のみならず、それぞれのアルバムが発表された時のTVスポットや、テレビ放送された映像など広義のプロモ映像、他のアーティストに参加した曲のプロモ映像まで、ここまで徹底して収録したものはかつてなかったであろう。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。日本語帯付。
DVD ONE
1971
01. My Sweet Lord (Bangladesh)
1974
02. Dark Horse
03. Ding Dong, Ding Dong #1 (original film)
04. Ding Dong, Ding Dong #2 (restored)
1976
05. Crackerbox Palace
06. True Love
07. This Song #1 (Variation A)
08. This Song #2 (Variation B)
1979
09. Blow Away
10. Faster
1981
11. All Those Years Ago
1985
12. Save The World (Greenpeace version)
1986
13. Shanghai Surprise #1 (Long Version)
14. Shanghai Surprise #2 (Short Version)
1987
15. Here Comes The Sun (Prince's Trust)
ARCADE VERSION
16. Got My Mind Set on You #1 (Copyright version)
17. Got My Mind Set on You #2 (No copyright version)
18. Got My Mind Set on You #3 (Raw Edit A)
19. Got My Mind Set on You #4 (Raw Edit B)
20. Got My Mind Set on You (Arcade Multi View)
CHAIR VERSION
21. Got My Mind Set on You #1 (Edit A Copyright version)
22. Got My Mind Set on You #2 (Edit A No copyright)
23. Got My Mind Set on You #3 (Edit B)
24. Got My Mind Set on You (Chair Multi View)
25. Got My Mind Set on You (Outtakes)
DISC TWO
1988
01. When We Was Fab #1 (Edit A- Copyright Version)
02. When We Was Fab #2 (Edit B)
03. When We Was Fab #3 (Edit A-No Copyright)
04. When We Was Fab (Multi View)
05. This is Love #1 (Copyright version)
06. This is Love #2 (No Copyright version)
07. Handle with Care #1 (1988 Copyright)
08. Handle with Care #2 (1989 Copyright)
09. Handle with Care #3 (Australian version, different end)
10. Handle with Care #4 (Widescreen cropped version)
11. Handle with Care (Multi View)
12. Handle with Care (Outtakes)
1989
13. End of The Line #1 (Edit A -Copyright version)
14. End of The Line #2 (Edit A- No Copyright version)
15. End of The Line #3 (Edit B)
16. End of The Line (Multi view)
17. End of The Line (outtakes)
1990
18. Nobody's Child
19. She's My Baby Version #1
20. She's My Baby Version #2
21. She's My Baby (Multi View)
22. Inside Out Version #1
23. Inside Out Version #2
24. Inside Out (Multi View)
25. Inside Out (Rehearsal)
26. Inside Out (Outtakes)
1991
27. Wilbury Twist Version #1
28. Wilbury Twist Version #2
29. Wilbury Twist Version #3
30. Wilbury Twist (Outtake)
31. Wilbury Twist (Multi View)
DISC THREE
2003
01. Any Road
2004
02. Taxman (The Dark Horse Years)
2006
03. Living in the Material World
04. Sue Me Sue You Blues
05. Miss O'Dell
2014
06. What Is Life
ORIGINAL TV SPOT
07. Dark Horse
08. Extra Texture
09. Cloud Nine #1
10. Cloud Nine #2
11. Cloud Nine #3
12. Traveling Wilburys Vol. 1
13. Traveling Wilburys Vol. 3
14. Live in Japan
15. All Things Must Pass 30th #1
16. All Things Must Pass 30th #2
17. All Things Must Pass 30th #3
18. Brainwashed #1
19. Brainwashed #2
20. Traveling Wilburys Collection #1
21. Traveling Wilburys Collection #2
22. Traveling Wilburys Collection #3
23. Let it Roll
TV FILM CLIP 1991
24. Between The Devil and the Deep Blue Sea
TV SHOWS
25. My Sweet Lord (TopPop, Netherlands 1970)
26. My Sweet Lord (Pans People, Top of The Pops 1971)
27. Ding Dong, Ding Dong (Pans People, Top of The Pops 1974)
28. The Pirate Song (Rutland Weekend Television, 1975)
29. This Song (Disco, Germany 1977)
30. Recording Hottest Going in Town (1986)
31. Recording Someplace Else (1986)
RELATED VIDEOS
CHEECH AND CHONG 1973
32. Basketball Jones
THE SINGING REBEL'S BAND 1985
33. Freedom (Promo Version)
34. Freedom (Film Version #1)
35. Freedom (Film Version #2)
36. Freedom (Multi View)
TOPM PETTY 1989
37. I Won't Back Down
BLINDA CARLISLE 1989
38. Leave A Light On
JEFF LYNNE 1990
39. Every Little Thing #1
40. Every Little Thing #2
41. Lift Me Up
GARY WRITE 1995
42. Don't Try to Own Me
43. Don't Try to Own Me Outtakes (recorded in 1992)
JIM CAPALDI 2001
44. Anna Julia